沖縄の闘いに連帯する関東の会|メッセージ
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ふるさとを、愛おしむ

ごめんなさいね
こんなにも長い間
あなたが傷つき、苦しんできたことに気づかなくて
青い空も、美しい海も、原色の輝きに包まれた自然も
当たり前のように私の目の前にあり
といって、さしたる感動を覚えることもなく
単なる島の一風景としか捉えていなくて
漠然とした心の中の抑圧感と閉塞感と孤独と退屈さに
この島を早く出たいとだけ考えていた、若かりし頃の私

沖縄では大変な地上戦があって、沢山の犠牲者が出たこと
日本兵はウチナーンチュを助けるどころか
ひどい目にあわされたこと、など
まわりの大人からはそれとなく聞いてはいたけれど
それがどんな風だったのかなど
詳しく知っていたわけではなかった
この島に何故巨大な基地を置くようになったのか
基地の果たす役割は何なのかを真剣に考えたこともなかった
あなたの歩んできた歴史や置かれている現状を
自分の事として受け止めることもできず
とにかくあなたという場所から逃げたかった
今 振り返れば何と罪ぶかく愚かだったことか…

考えてみれば私という人間の存在は
あなたという場所なくしてはあり得ず、父も母も存在し得ず、
長い歴史の線の上の、ほんの小さな点に過ぎない命だけれど
きっと必然的に生まれてきたのだ、とこの頃は思う
何よりもあの戦場を生き抜いた父や母の生命力に驚き
感動すら覚えるのだ

集団自決、スパイ容疑による虐殺、壕からの民間追い出し…
鉄の暴風の中、行き場を失って彷徨う島の人達の延々と続く行列
そして、多くの死。
追い詰められた者たちの恐怖、苦しみ、悲しみ。
その事が紛れもない歴史の事実だということの衝撃

ずっと歴史を辿れば、あなたは苦難に満ちた時代にいつも置かれていた
大和(やまと)の侵攻により、琉球王国から大和の世(ゆ)に代わり
戦後はアメリカに支配された時代を生き、祖国復帰後は再び大和の(ゆ)に戻り
けれど、差別の法則は常に変わらず
あなたという島は
日本の中でも最大の基地の捨て場所のまま…
傷は時を経れば癒えるというけれど
同じ所に受け続ける傷は癒えるどころか広がっていくだけ
土地の記憶というものは、その土地のものだけでしかないのだろうか…

深く傷ついた歴史の記憶が薄れてしまわないうちに
語る者が消えていなくならないうちに
あなたという土地の記憶を、真実を語る言葉を、心にしっかりと刻んでおこう

満身創痍のあなただけれど
あなたが私の故郷であったことに感謝する
そして、どんなに困難な時代にあっても、
明るく優しくたくましく生きる人々を
島の人々が代々創り育てた豊かな文化を
あなたという風土を、私は心から愛おしむ

基地のない平和な沖縄をめざす会   長谷部 洋子(よっこ)

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